編集部体験ルポ
オアフ島の魅力をもっと知りたいなら
ザ・バスに乗ってオアフ島ぐるり一周の旅へ
ロングステイをするならやっぱり何かと便利なワイキキがいい。 けれどハワイの魅力は、「完成したリゾート」のワイキキだけではない。 ロングステイ中の1日を使って、路線バスの「ザ・バス」に乗ってのんびり島内一周の旅に出かけてみよう。 あなたの知らないオアフ島が、そこにある。
撮影/丹治たく Photo: Taku Tanji
ノース・ショアのビーチ
そこにはおだやかな休日の風景が
オアフ島には何度か訪れているものの、実は島の北部には足を踏み入れたことがなかった。仕事ながらはじめて行けるとあって、張り切ってワイキキを出発。アラモアナで島を一周する52番のバスに乗り換える。バスはアラモアナを出発し、しばらく内陸部を進み、。やがてサーファーが集まる町として有名なハレイワのメインストリートを過ぎたあたりから、エメラルドグリーンのおだやかな海が見えはじめた。
夢中になって車窓から眺めていると、人が集まるビーチを発見。海もとびきりきれいだ。車内では観光客と思しき人たちが、このワイメア・ビーチとさらに北にあるサンセット・ビーチ、どちらがきれいなのか? と話している。私は迷わず、下車を知らせるヒモを引っ張った。
はやる気持ちをおさえて、ビーチへ降りていく。砂浜でビーチバレーを楽しむ人あり、8メートル近くある岩場から海に飛び込む子供の姿あり。ワイキキのにぎやかなビーチとはまた違った、ノース・ショアのビーチに漂う何とものんびりした空気に身体の力が抜けていく。もちろん料理を出す屋台も、シュノーケルやパラソルを貸し出してくれるところもない。人々がとってもシンプルに自然を楽しんでいる姿が印象的だった。ハレイワで食事をして、ワイメアのビーチでのんびり過ごす…。たったそれだけの旅でも充分に楽しめる気がした。
降りたいバス停がない?!
焦る私にひとりの女性が…
カフクで食事をして、またバスに乗り込む。運転手にクアロア牧場に着いたら教えてほしいというと、「?」という表情に。信号でバスが停車したところを見計らって、「Kualoa Ranch」とノートに書いて見せてもなお運転手は首をかしげて、知らないという。あんなに大きな牧場なのに? 予想外の展開に困っていると、そのやりとりをそばで見ていたロコの女性が、「どうしたの?」と声をかけてくれた。クアロア牧場に行きたいんだけれど…と伝えると、運転手になにやら早口で説明してくれ、その後、運転手も私の方を見て頷いてくれた。ほっとして彼女に御礼をいって、バスの後方部に席をとる。
しばらくすると、まさに映画「ジュラシック・パーク」で見た記憶のある切り立った山々が見えてきた。バスが通る道路のすぐそばまで迫る、圧倒的な存在感を持つその山々に目が釘づけに。「自然豊かなハワイ」というと、ハワイ島やカウアイ島などのネイバーアイランドを想像してしまうが、このオアフ島にもこんな大自然があったんだ!
あいかわらずどこまでも続くおだやかで美しい海と、荘厳な雰囲気さえする山々の間を、バスは走り続ける。
この景色からすると、もうそろそろクアロア牧場? しかし、運転手もさっきの女性も私に声をかけるそぶりはない。ちょっと心もとない気がしてきたところで、遠くにそれらしき施設を発見。とそのとき、ちょうどバスが止まってドアが開いた。
バスの後方部から出口のドアに向かって歩き出しながら「ここですか?」とさっきの女性に向けて声を発すると、その女性より早くほかの乗客たちから、「ここじゃないよ」「もう少し先だよ」と返事が帰ってきた。どうやらさっきのやりとりは、そこにいた4、5人のほかの乗客たちみんなに聞こえていたらしい。さっきの女性が、前方の席から手招きしている。
「バスはビジターセンターの入り口前まで行くから、そこで降りればいいのよ」
まもなくバスが停車。その女性と運転手、ほかの乗客にも御礼と別れのあいさつをして、バスを降りる。手を振る乗客たちを乗せて、バスは走り去って行った。こんなちょっとした人とのふれ合いが、忘れられない旅の思い出になる。こんな体験ができるのもまた、バスの旅の醍醐味なのかもしれない。
続きは「羅針」Vol.17をご覧ください。
「羅針」Vol.17を購入したい方はこちらか
ら

