羅針流「体験型」の旅

[鉄道の旅]Chapter.3
これだけは乗っておきたい、魂を揺さぶる鉄道

「世界の車窓から」テレビ朝日系で放送中
「世界の車窓から あこがれの鉄道旅行」書籍シリーズ(DVD付)好評発売中

「世界の車窓から」スタッフが羅針読者のためにセレクション!

世界各国の鉄道に乗車し、その車窓風景を通して自然を、人を、ひいては国そのものを見つめてきた「世界の車窓から」スタッフだからこそおすすめできる、あなたの魂を揺さぶる「ソウル・トレイン」を紹介します。

File 1 Great Britain

GNERインターシティでスコットランドへ
ロンドン〜ヨーク〜エディンバラ

鉄道発祥の地、イギリスからまず1本。かつては蒸気機関車の汽笛が響いたロンドンのキングス・クロス駅だが現在列車を引くのは電気機関車。1991年に登場したこの機関車は最高時速225キロを記録したことから、インターシティ225と呼ばれる。毎朝10時、スコットランド行き急行列車が出発。このタイムテーブルだけは、蒸気機関車の時代から変わることなく受け継がれる。

キングス・クロス駅で出発を待つ電気機関車牽引のインターシティ。

DATA
  走行距離632キロ  
所要時間約4時間30分
URLグレート・ノース・イースタン鉄道GNERwww.gner.co.uk/GNER
ベストシーズン
夏がおすすめ。果てしなく広がる緑の牧草地と青い空に浮かんだ白い雲に心がなごむ。「一日のうちに四季がある」ともいわれるスコットランドは、夏でも上着を持参しよう。
沿線の見どころ
終着駅のエディンバラはスコットランドの古都。エディンバラ城のある旧市街と、19世紀に整備された新市街が世界遺産に登録されている。

File 2 Spain/France

地中海のブルーを車窓に南仏を駆ける
バルセロナ〜アヴィニョン〜マルセイユ〜ニース

スペイン北東部バルセロナを発ち、南フランスのコートダジュールへ。紺碧に輝く地中海の海岸線をなめるように一路東へ。車窓からはどこまでも続くかのような青空と大海原、きらめく陽光が飛び込んでくる。南仏一帯はサガンの青春小説を思わせる光り輝くリゾート地。TGVで駆け抜けるのもいいが、地元ローカル線で途中下車を繰り返しながら旅したい。

マルセイユからニースまでは地中海の眺めが堪能できる絶景ルート。

DATA
  走行距離約800キロ  
所要時間約12時間(特急・TGVを除く)
URLスペイン国鉄www.renfe.com、フランス国鉄www.sncf.com
ベストシーズン
マルセイユやニースでバカンス気分を満喫するなら7〜8月がおすすめ
沿線の見どころ
出発地のバルセロナではサグラダ・ファミリア教会などガウディが手がけた名建築、ニームではローマ遺跡、アヴィニョンのローマ法王庁など見どころいっぱい。また南仏プロヴァンス地方名産のワインを味わいたい。

File 3 Switzerland

トップ・オブ・ザ・ヨーロッパの鉄道駅へ
インターラーケン・オスト〜ユングフラウヨッホ

ヨーロッパでもっとも高い鉄道の駅、ユングフラウヨッホ(標高3,454メートル)をめざして急勾配路線を行く。ラックレール方式で、電車の歯車が歯を刻んだラックレールに常時かみ合い、ゆっくりと、しかし確実に高度を稼いでいく。絵はがきのような高原風景と、長いトンネルを経て到達する終着駅は、真夏でも一面の銀世界。展望台から望む全長23キロのアレッチ氷河やアルプスの峰々は神々しいほど。

白銀のアルプス、そしてのどかな牧草地のコントラストが美しい。

DATA
  走行距離32キロ  
所要時間約2時間
URLユングフラウ鉄道www.jungfraubahn.ch
ベストシーズン
緑の絨毯の高原を抜けて白銀の世界へといたる対比を楽しむなら夏がおすすめ。特に7月が晴れることが多い。
沿線の見どころ
終点ユングフラウヨッホからは氷河トレックなどを楽しみたい。

File 4 Canada

大陸分水嶺ロッキーをはるばる越えて
トロント〜ウィニペグ〜ジャスパー〜バンクーバー

オンタリオ湖畔の都市トロントから、北米大陸をひたすら西進。バンクーバーまで3泊4日の大陸横断鉄道。沿線のハイライトはカナディアン・ロッキー山脈越え。出発してから3日目の午後、雪を冠った2,000〜3,000メートル級の山々が近づくと、車内のあちこちからは歓声、そしてため息が漏れる。深い緑に覆われた大平原、陽光を浴びて光り輝く湖そして澄んだ大気――。どこまでも厳しく、そして美しい大自然が広がっている。

ロッキー山脈のふところに抱かれるようにひたすら線路が延びている。

DATA
  走行距離4,466キロ  
所要時間73時間50分
URL(日本語)VIAカナダ鉄道http://wcs.ne.jp/via/
ベストシーズン
車窓の美しさなら断然初夏だが、紅葉の秋や白銀の冬もそれぞれ捨てがたい。
沿線の見どころ
カナディアン・ロッキーにある国立公園で最も広い総面積一万平方メートルを誇るジャスパー国立公園。エルクやマウンテンゴート、グリズリーなどが生息する野生動物の宝庫だ。

File 5 Thailand/Malaysia/Singapore

緑したたるマレー半島を南下旅
バンコク〜クアラルンプール〜シンガポール

タイの首都バンコクの喧騒を背にはじまるマレー半島縦断の旅。混沌としたタイと、整然としたマレーシアとの対比がおもしろい。リゾート地のホアヒンやペナン島、数々の寺院などをめぐりつつ1週間くらいかけて下りたい。地元の人との出会いと別れに彩られ旅は続く。

あざやかな民族衣装を纏った少女が迎えてくれた。

DATA
  走行距離1,946キロ  
所要時間約37時間
URLタイ国鉄www.railway.co.th
マレー鉄道(KTM)www.ktmb.com.my

File 6 Peru

空中都市マチュピチュへ通じる高山鉄道
プーノ〜クスコ〜マチュピチュ

アンデス山中標高4,000メートルを行く観光列車。チチカカ湖畔のプーノからかつてのインカ帝国の首都クスコへ豪華列車で向かう。見渡す限りの大平原。遠くアンデスの山々が迫り、空がとても近く感じられる。民族衣装をまとったインディヘナや野生のアルパカの群れにこみ上げる旅情。終点は今なお謎に包まれた世界遺産マチュピチュだ。

深い緑が目にまぶしく焼きつく。

DATA
  走行距離約500キロ  
所要時間約13時間30分
URLペルーレイルwww.perurail.com/

File 7 Morocco

大砂漠を越え異国情緒あふれる新旧都市をめぐる
マラケシュ〜カサブランカ〜フェズ

アフリカ大陸北西部のモロッコは、ヨーロッパ文化とイスラム世界が出会う文化の交差点。サハラ砂漠の古都マラケシュ(世界遺産)から国際都市カサブランカ、首都ラバト、迷宮の都フェズ(世界遺産)まで、エキゾチックな都市を周遊しながら変化に富んだモロッコの大地を走る。

荒涼とした大地に流れる川を渡る。

DATA
  走行距離582キロ  
所要時間約7時間30分
URLモロッコ国鉄www.oncf.ma