日本旅館のような船で世界をめぐる100余日
100余日をかけ、すべての経線を通過して地球を一周するのが世界一周クルーズ。世界には250隻ほどの客船がありますが、世界一周クルーズを運航しているのは10隻弱。日本船は3隻運航していて、そのひとつが「にっぽん丸」です。
「にっぽん丸」の特徴といえば、こだわり抜いた和食や温泉旅館を思わせる大浴場、行き届いたサービスと、まるで高級旅館のような日本船ならではのもてなしです。さらに、総トン数が2万1903トンと比較的小さく、また親しみやすいクルーが多いため、船内にはアットホームな雰囲気がただよい、リラックスして過ごせます。
そんな「にっぽん丸」に乗船して17年、世界一周クルーズは2008年で7回目というクルーがツアーディレクターの内山勝美さん。真っ白なスーツで船内を颯爽と歩く姿が印象的な内山さんは、なんと年間260日間を海の上で過ごしているそう。ツアーディレクターの主な仕事は、寄港地で催行されるオプショナルツアーの企画・運営。2006年の世界一周クルーズでも90を超えるオプショナルツアーを企画したそうです。
シャッフルボードは船旅ならではの遊び。はじめての人にもスタッフがやさしく教えてくれる。Photo: Masahiro Ohashi
「皆さんの目で、海から世界を見てほしい」
第7回目となった2006年の世界一周クルーズ。まずはそのクルーズを振り返っていただきましょう。
「船旅の価値を十分に感じられるクルーズだったと思います。マルタ共和国のバレッタやポルトガルのポルトといった古都あり、イギリスのロンドン、アメリカのニューヨークなどの大都会ありと、寄港地にバリエーションを持たせたので、お客様にはそれらの街のコントラストを心と肌で感じとっていただけたと思います」
ちなみに内山さんが特に印象に残っている寄港地は、海から見た旧市街の景色が美しかったバレッタと、牧歌的な雰囲気とフレンドリーな人々との触れ合いに心が安らいだドイツのリューベックだそうです。
そもそも内山さんが考える世界一周クルーズの魅力とは何でしょうか。
「世界一周をしているという実感を得られるのは、スエズ運河、キール運河、パナマ運河の世界三大運河の通航時ですね。さらに世界中の大自然を目の当たりにできること、世界各国の町々を海から訪れることによって新鮮な感動を得られること。ぜひ皆さんに味わっていただきたいですね」
パナマ運河を通航する「にっぽん丸」。岸壁ぎりぎりで通過する。
写真提供:商船三井客船
2008年世界一周クルーズの初寄港地を少しだけご紹介!
2008年の世界一周の初寄港地は11か所。2006年秋に視察に訪れたいくつかの初寄港地の魅力を、内山さんが語ってくださいました。なお、次号の季刊「羅針」vol.16(2007年3月10日発売)では、「にっぽん丸」の2008年世界一周クルーズのコースや日程、初寄港地の魅力を詳しくご紹介します。お楽しみに!
チュニス(チュニジア)
「アラブ時代の息吹を感じさせる旧市街地とフランス領時代の名残が残る新市街地とが、非常にマッチした街。さらに近辺にはカルタゴ遺跡をはじめとする7か所の世界遺産や高級リゾートもあり、楽しみの尽きない寄港地です」
紀元前9世紀にフェニキア人によってつくられた古代都市カルタゴの遺跡。
写真提供:商船三井客船
イビサ(スペイン)
「緑豊かな島で、訪れる観光客の心を和ませるリゾート地。島の各地に広がる街はどこもおしゃれです。島全体が風光明媚で、つい長期滞在したくなるような島。半日は自由散策でゆっくりと楽しんでいただきたいですね」
地中海に浮かぶイビサ島。夏はバカンスを過ごす多くのヨーロッパの人々でにぎわう。
写真提供:商船三井客船
リガ(ラトビア)
「バルト三国のひとつ、ラトビアの首都。北ドイツ、東欧、北欧の文化が混在した街といってもいいかもしれません。建物は歴史を感じさせるアールヌーボー調のものが多く、訪れる旅人の目を和ませてくれますよ」
20世紀はじめにドイツの飛行船の格納庫として使われていた中央市場。
写真提供:商船三井客船
ヴィスビー(スウェーデン)
「別名『バルト海の真珠』といわれる緑豊かなゴトランド島の西部にある港町。城壁に囲まれた旧市街地には緩やかな石畳の坂道が多く、たくさんの花で彩られています。北欧の『隠れた別荘地』といった感じです」
緑が豊富で落ち着いた雰囲気がただよう。
写真提供:商船三井客船
「にっぽん丸」2008年世界一周クルーズ |
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横浜発着 | 2008年4月7日〜7月16日101日間 |
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| 神戸発着 | 2008年4月8日〜7月17日101日間 |
| 料金例 | 横浜、神戸発着共通大人ひとり298万円「ステートルームC」〜 |
問い合わせ先 商船三井客船クルーズデスク [TEL]0120−791-211(フリーダイヤル)。問い合わせや申し込みのほか、各種クルーズのパンフレット請求も受け付けている [URL]http://www.mopas.co.jp |
「にっぽん丸」世界一周クルーズなんでもQ&A
世界一周はもちろん、「にっぽん丸」に乗船したことがないという読者の方から寄せられた素朴な疑問にお答えします。
2006年世界一周クルーズ゙のある日の夕食。和食は特に美味しいと乗客からも評判が高い。Photo: Masahiro Ohashi
Q1.食事はどんなものが出される?
A.「美味なる船」の異名をもつ「にっぽん丸」。食事の美味しさから「にっぽん丸」のリピーターになったという乗客も少なくありません。本格的なフランス料理のフルコースから湯豆腐や鶏そぼろ丼といった家庭料理までバラエティに富んだメニューが用意され、ロングクルーズでも乗客を飽きさせません。また、夜小腹が空いても、焼きおむすびや豚汁などが用意されているナイトスナックタイムもあるので安心です。
Q2.時間を持て余すことはない?
A.「時間が余ると思ってたくさん本を持ち込んだけれど、結局ほとんど読まなかった」というのはよくある話。船内ではストレッチなどのフィットネスプログラム、社交ダンスなどのカルチャー教室、エンターテイナーによる各種ショー、映画上映など、実に多くのプログラムが用意されています。また、デッキチェアに横たわって海を眺めているだけでも、時間はあっという間に過ぎていきます。
Q3.クルーズ中に病気になったらどうする?
A.船医が乗船していて、風邪などの軽い病気の場合はそこで治療を受けられます。重症の場合は寄港地の病院に搬送されます。船内の診療所を訪れる人の多くは、船酔い。「にっぽん丸」では酔い止めの薬を無料で用意していますが、即効性の高い注射(有料)を打ってもらうこともできます。ちなみに船酔いの心配は、船に慣れるまでの最初のうちだけ。特に世界一周クルーズは、寄港地すべてがベストシーズンなので快適に過ごせます。
Q4.船内での特別なマナーはある?
A.船内では毎日ドレスコード(服装規定)が指定されます。「にっぽん丸」では「日中は自由な服装で過ごし、夕方以降はみんなで目安を決めておとなの社交の時間を楽しもう」という考え方で、通常は夕食時以降からドレスコードを定めています。また、日本船だからといって、寝間着のまま自分の船室外に出ることはマナー違反ですのでご注意を。