クルーズには興味があるけれど、まだ長期の休みがとれない、いきなり海外クルーズに乗船するのは少し心配…。そんな人はまず一度、国内クルーズを体験してみてはいかが。 2007年7月21日(土)〜24日(火)に実施された、日本を代表する客船「にっぽん丸」の「夏休み北海道クルーズ」の様子をレポートします。
7月21日(土)
カクテル・パーティーから旅がはじまる
今回のクルーズは、茨城県の大洗港から出航です。小雨が降るなか、岸壁では地元の高校生のマーチングバンド、幼稚園児のダンスなどの出港セレモニーが行われ、船出を盛り上げてくれます。やがて大きな銅鑼の音を合図に、「にっぽん丸」は北海道に向かって出航しました。
クルーズ初日である本日の最大のイベントは、カクテル・パーティーとウェルカム・ディナー。クルーズでは毎日夕方以降にドレスコードが指定され、本日はインフォーマル。一度着替えてドレスアップすることで、日常とは違う特別な空間にいることを意識し、「ハレ」のクルーズ・ライフをめいっぱい楽しもうという気持ちが自然と高まります。
カクテル・パーティーの会場である4階の多目的スペース「ドルフィンホール」は、スーツにネクタイ姿の男性、ワンピース姿の女性であふれ、華やいだ雰囲気。カクテルをいただきながら、これからはじまる北海道への旅に思いをめぐらせます。
船長によるあいさつと主なクルーの紹介がおわり、乗客はダイニングルームへと移動します。ウェルカム・ディナーと銘打った本日の夕食は、フレンチのフルコース。「美味なる船」として知られる「にっぽん丸」ならではの、ため息の出るような料理の数々。たまたま同じテーブルに居合わせたほかの乗客と会話を楽しみながら、特別な夜は更けていきました。
大洗港では、「にっぽん丸」専属バンドの「4ドルフィンズ」の演奏のなか、乗客が次々とタラップをのぼっていきます。
宿泊したキャビンはステートルーム。14uと限られたスペースながら、ベッド、机、ソファ、クローゼット、シャワールームなどが備わっていて、快適に過ごせます。
船長主催のカクテル・パーティー。パーティーでは船内にある「ネプチューン・バー」のバーテンが考案した夏をイメージしたカクテルが振舞われました。
7月22日(日)
深夜の出港。函館の夜景を目に焼き付けて…
「にっぽん丸」は、岩手県の三陸海岸沖を通過し、午後1時、予定どおり函館港に入港です。湿気のないさわやかな陽気のもと、下船して自由行動を楽しむことに。路面電車に乗り、赤レンガ倉庫などを散策していると、遠くに「にっぽん丸」の姿を発見。わずか2日間しか乗船していないというのに、まるで我が家を見つけたような、ほっとした気持ちになるから不思議です。
本日の出港は夜10時。「にっぽん丸」で一番高い8階のサンデッキに上がり、夜風にあたりながら出港の様子を眺めます。黄色やオレンジ、青といった色とりどりの町の灯りが漆黒の海の水面にものびてうつり、なんとも美しくロマンチックな光景を作り出しています。そのなかを「にっぽん丸」が海面をすべるように進んでいきます。かの地で過ごしたつかの間の楽しい時間を振り返りながら、次第に小さくなっていく町の灯りをいつまでも眺めて過ごしました。
午前中の船内ではソシアルダンス教室が開かれました。まったくダンス経験のない人でも楽しく踊れるように、基本のステップから教えてくれます。
坂の多い函館の町。「にっぽん丸」が停泊する港のすぐ目の前にも長い坂道が。
函館では8時間の自由行動が。港のすぐそばから路面電車に乗り、明治時代に建てられた赤レンガ倉庫付近を散策。
函館の町の夜景と「にっぽん丸」の灯りがなんとも美しく、しばらく目を離せませんでした。
7月23日(月)
「よさこいソーラン」で北海道ともお別れ
朝目覚めると、キャビンの窓から切り立った崖の海岸線が目に飛び込んできました。あたりには霧もたち込めていて、どこか荘厳な雰囲気さえ漂っています。
十勝港に近づくにつれて霧は次第にうすれ、太陽が顔を出しました。このあたりには「蝦夷梅雨」と呼ばれる雨が降り続く時期があり、昨日まで10日間ほど降り続いていたそうですが、「にっぽん丸」は晴天のなか十勝港に入港です。
岸壁には十勝産のワインやプリン、魚介類の乾物などを並べた店が並び、乗客の興味をそそります。乗客の多くは、襟裳岬へのツアー、十勝の食と芸術を堪能するツアーなどのオプショナルツアーに申し込んでおり、港に横付けされた観光バスに続々と乗り込んでいきます。ツアーに参加せず、無料で運行されるシャトルバスに乗って近くの町を散策したり、乗客の少ない船内でのんびり過ごしたりする乗客もいます。
夕方5時、十勝港を出港です。岸壁では、港近くの町、広尾町の「よさこいソーラン」のチーム「十勝港ソー乱舞」による踊りが披露されました。その切れのいい迫力ある踊りに、デッキの乗客たちも目が釘付けに。踊りが終わると乗客から惜しみない拍手が送られました。やがて乗客やクルーが岸壁に向かって投げた色とりどりの紙テープが海に舞い、「にっぽん丸」は静かに港を離れていきます。
ほどなくして、あたりには霧がたちこめ、「にっぽん丸」はまるで雲のなかを航行しているような幻想的な雰囲気に。何度も汽笛を鳴らしながら、ゆっくりゆっくり北海道を後にしました。
港に設けられた店では、十勝産の卵や牛乳を使ったプリンなどのお菓子が売られていました。
紙テープが舞うなか、地元の方々による出港セレモニーが。踊りが終わった後は、手を振り続けて見送ってくれました。
十勝港を出てすぐ霧が張り、「にっぽん丸」を包みました。
7月24日(火)
アクティビティを楽しんで最終日を過ごす
クルーズの楽しみといえば、船内で催されるさまざまな教室。この日の午前中にはコサージュ&アクセサリーをつくるアートクラフト教室、マジック教室、フィットネス教室、デッキゴルフ教室など、数多くの教室が開かれ、乗客は自分の興味に合わせて教室を選びます。
午後からは、「にっぽん丸」の定番イベント「ビンゴゲーム大会」が開かれました。「にっぽん丸」のオリジナルグッズなどが賞品で、テディベアやトートバッグ、携帯ストラップ、ハウスワインなど、バラエティに富んだラインアップ。司会役のスタッフの軽快なトークが場内を盛り上げます。
ビンゴ大会で盛り上がった後は、この旅最後のアフタヌーンティーをいただくためにラウンジへ。この旅で知り合った乗客と別れのあいさつを交わしながら、あっという間に過ぎてしまった4日間を思い、どことなくセンチメンタルな気分に。
最後に「にっぽん丸」の入港シーンを見届けようと、8階のサンデッキへ。夏の午後のまぶしい日差しのなか、「にっぽん丸」は大洗港へと近づいていきます。また必ず「にっぽん丸」に戻ってきて、特別な時間を過ごしたい…そんな気持ちで胸をいっぱいにしながら、港へゆっくり入っていく様子を飽きることなく眺めて過ごしました。
快晴のなか、大洗港に向けて一路南下を続けます。
ビンゴ大会にはかなりの賞品が用意されているにもかかわらず、なかにはまったく当たらない人も…。なんとか賞品を当てたいという乗客の熱気に司会者もおされ気味?!

