各国ロングステイヤーからの現地レポート
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ポルトガルリスボン近郊でゴルフを楽しむ生活

名取友治さん、潮子さん(リスボン在住)2007年5月10日掲載

週2回レンタカーを借りてゴルフ場へ

ポルトガルはゴルフ天国だとよくいわれています。理由はいくつかありますが、主には安いからだと聞かされます。しかし手ぶらの短期旅行者が、リスボン近郊のゴルフ場でラウンドすると「安くない」と不満を持ちます。ラウンド代が50ユーロ、貸しクラブが45ユーロ、トロリー(手引きカート)が5ユーロ、締めて100ユーロで、「安くない」となります。その上、ついつい日本の感覚でバギー(2人乗り乗用カート)を借りると、これがえらく高くて45ユーロします。

長期滞在の私たちの場合、リスボン市内から車で40分ほどのゴルフ場「アロエイラ」の会員になりました。夫婦・ウイークデイの1年間会費1,500ユーロを払って、クラブとトロリー(市販価格30ユーロ)を持参し、あとは身ひとつで来れば一銭もかかりません。週2回を目処に、1日に1、2ラウンド楽しみます。もっとも、車のない我が家では、その都度レンタカーを40ユーロで借りますが、それでもとても「安い」のです。

もうひとつ、ゴルフ天国といわれるわけは、2月になるとヨーロッパ中から押し寄せる外国人を見て理解できました。スペインとポルトガルだけがヨーロッパ諸国の中で1年中プレーできるため、自国の春を待ちきれない北の人々が、「安い」ポルトガルをめざして南下してくるのです。2月に入ると、昼間の気温は15度まで上がり、風がなければ体感温度は18度を超えたりしますから、これはもう北の彼らには「天国」です。その時期は込み合いますから、夫婦で予約していても彼らといっしょにラウンドすることになります。「もう毎日毎日傘の生活にはうんざりです」というイングランドのご夫婦、「毎年この時期に来ます」というスウェーデンの歯医者さん夫妻、ほかにも「明日から、友だち10人ばかりと落ち合う予定なんです」と話す人たちにも出会いました。

2007年1月の11番ティから。一見平坦で、真っ直ぐ、だから油断する、そしてあっという間にダボ・トリになる。特に飛ばし屋には、ラフが魔物。曲げてラフに入ったら、速やかに諦めて「暫定」を打ってから前に。

2007年1月の11番ティから。一見平坦で、真っ直ぐ、だから油断する、そしてあっという間にダボ・トリになる。特に飛ばし屋には、ラフが魔物。曲げてラフに入ったら、速やかに諦めて「暫定」を打ってから前に。

30ユーロのトロリー。このままコースマネジャーに預けると、年間で125ユーロ、全く手ぶらでコースに来られる。モーターがつくと400ユーロ、お婆ちゃんがよく使っている。

30ユーロのトロリー。このままコースマネジャーに預けると、年間で125ユーロ、全く手ぶらでコースに来られる。モーターがつくと400ユーロ、お婆ちゃんがよく使っている。

「バーディとボギー」と我々が名づけた、水鳥(マガモかな?)の夫婦。インの12番グリーン横の池を根城として、この半年の餌付けが成功して、チュッチュッと呼ぶと、大急ぎでお尻振り振り駆けてくる。おにぎりをやったらポルトガルのマガモには食べ難そうだった。

「バーディとボギー」と我々が名づけた、水鳥(マガモかな?)の夫婦。インの12番グリーン横の池を根城として、この半年の餌付けが成功して、チュッチュッと呼ぶと、大急ぎでお尻振り振り駆けてくる。おにぎりをやったらポルトガルのマガモには食べ難そうだった。

プレーしていないゴルフ場がまだまだある

海浜コースの「アロエイラ」は平坦で、トロリーを引いて歩くことに慣れてない人にも楽です。ラフの砂地と、風で横向きの松の巨木と、冬でもひそやかに咲くこぢんまりした花々からふと海浜であることを思い出します。ホールのどこからも海は全く見えませんし、松に遮られて風も余り感じませんから、帰りの道路から間近に見える海におどろく人もいます。

日本と異なるために戸惑うことは、距離がメートル表示であることです。「アロエイラ」にはふたつのコースがあり、No.1は全長5,740メートル(バック6,044メートル)、No.2は5,903メートル(同6,367メートル)で、ヤードではそれぞれ6,314と6,493となります。これを見ると、距離は「ちょっと長いかな」という程度なのですが、何人かの日本人と必ず話す共通の話題は、ホールごとの距離と杭とグリーンまでの残り距離が合わずに、「ワンクラブいつも足りませんね」となります。ですから残り100メートルの杭で風、傾斜がないと、7番アイアンが定番になってしまいました。

リスボン近郊には、たくさんのゴルフコースがあります。大体車で30〜40分圏に7、8コース、さらに足を延ばして1時間から2時間ほど進むと、いまだに行ったことのないコースがたくさんあります。手前味噌ですが、「アロエイラ」はアフターリタイア組には最適だと思います。カスカイスとシントラの中間にある「ペーニャ・ロンガ」はかなり山岳系ですし、その他でも10、11月の雨の時期にクローズするコースも多いようです。先日ヨーロッパ・チャンピオン戦を開催した「エストリル・コース」も、観光客と会員で満員が続きワンラウンド4時間は夢の夢となっているようです。その点、ふたつのコースを持っているのも「アロエイラ」の強みです。

こちらに来たばかりの頃は、「歩くの?」とご他聞に漏れず怠慢ゴルフに慣れていましたし、バギーで足慣らしが数度ありました。こちらではトロリーを引いて歩くのがゴルフですから、せいぜい「モーターつき」トロリーが許容の限度です。ラウンドはもちろん休みなしのスルーで、途中で一杯なんてとんでもありません。最近は、にぎり飯(冬場はサンドイッチ)持参で、歩きながら、食べながらの4時間です。レストランもありますし、コース沿いに建ち並ぶコテージに泊まってということもできます。70〜100ユーロで2、3人で滞在して自炊できます。

アロエイラ
[URL]http://www.aroeira.com/en/

女房はゴルフに来ているのか、花摘みに来ているのか、時々不明。黄色い花は寒風の12月にも咲き誇り、紫の花はクラブハウスのまわりに植栽されている。小さくて見過ごしそうなのに、なぜかラフの緑や砂地の白に映えて、目に留まる真っ青な花もある。1年を通して色とりどりな花々が、楽しませてくれる。

女房はゴルフに来ているのか、花摘みに来ているのか、時々不明。黄色い花は寒風の12月にも咲き誇り、紫の花はクラブハウスのまわりに植栽されている。小さくて見過ごしそうなのに、なぜかラフの緑や砂地の白に映えて、目に留まる真っ青な花もある。1年を通して色とりどりな花々が、楽しませてくれる。

ホームコースのキャディマスターのオイちゃん。名前は聞いたことはないが、とてもえらく、しかも親切で、頼まれごと(クラブを忘れた、もの入れ落としたなど)にはなんでも精一杯解決に奔走してくれる。

ホームコースのキャディマスターのオイちゃん。名前は聞いたことはないが、とてもえらく、しかも親切で、頼まれごと(クラブを忘れた、もの入れ落としたなど)にはなんでも精一杯解決に奔走してくれる。

Photo: Masahiro Ohashi

Photo: Masahiro Ohashi

名取友治(なとり・ともはる)さん、潮子(しおこ)さんプロフィール

共働きを続けてきた名取夫妻の現役時代の楽しみは娘たちとの海外旅行。20年ほど前に家族旅行ではじめて訪れたときに気に入ったポルトガルで、リタイアしたらロングステイをしたいと考えていた。2005年10〜12月の2か月間、リスボン近郊の海辺のリゾート、カスカイスでロングステイを楽しみ、さらに2006年8月からリスボンでロングステイ中。好きな音楽を聴きに行ったり、博物館や美術館をゆっくり見てまわったりと、1年間かけて自分たちの好きなことをじっくりのんびり楽しむ予定。

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