Q(大河内、以下同):清田先生はどうして、このお細工物のクラスをおはじめになったのですか?
A:実は私、この街に来たのが1999年で、それまでは日本で和裁を習っておりました。もしやカナダに行って退屈したら、と、日本の着物地を一箱だけ持って来たんです。いくつかつくっているうちに、習いたい方との素敵なご縁ができて、今は週に3回、15名のお弟子さんに、お教えしております。

大河内南穂子さん(バンクーバー在住、コスモス・セミナー主宰)2007年4月24日掲載
日本の皆さんが考えている以上に、ここバンクーバーでは日本人の方々が色々な形で海外生活をエンジョイしています。ゆっくりと流れる時間のなかで、何か新しいことにチャレンジしてみるのもよいのではないでしょうか。 今回は清田敬子先生の「押し絵とお細工物」の教室を訪ねてみました。この日の生徒は5年前の呼び掛けにすぐに申し込み、以来習い続けているかおりさんをはじめ、長く続けている生徒が集まるグループでした。 インタビューには清田先生と生徒さんの全員が答えて下さいました。
A:実は私、この街に来たのが1999年で、それまでは日本で和裁を習っておりました。もしやカナダに行って退屈したら、と、日本の着物地を一箱だけ持って来たんです。いくつかつくっているうちに、習いたい方との素敵なご縁ができて、今は週に3回、15名のお弟子さんに、お教えしております。
「座り人形袋」と「うさぎ袋」。お香やアクセサリーが入るように袴の部分が袋になる。
いつも優しい笑顔の清田敬子先生。
A:ありがとうございます。こうした奇抜なデザインがカナダの方々に好評のようです。実用も兼ねてお腹の部分が開いて、筆入れや歯磨きセットにもお使い頂けます。こちらのブリティッシュ・コロンビア州にちなんだ州花のドッグウッド(花水木)と州鳥の青い鳥、ステラージェイ(カケス)の額入り押し絵も最近つくってみました。
A:たしかに手を動かしながら和やかに手芸を続けられたら素敵ですね。この街の先輩からわからないことを教えてもらったり、今どこの店でセールをしているなどの貴重な暮らしの知恵も聞けると思います。
A:ええ、細かい手芸なので、教えるには4人までが限界です。英語だけを話す方ばかりのクラスもありますよ。国際交流向きです。
教室で先生から指導を受ける生徒の皆さん。
大きな窓から光が射し込む教室で皆さん真剣な表情。
A:かまいません。いつも皆さん、身近な話題や旅行などの情報を交換なさっているんですよ。
A:肝心なポイントは清田先生が教えて下さるので大丈夫、皆で助け合いながらでき上がりの達成感を分かちあえますから、毎回愉しみなんです。
A:はい、細長い額に押し絵を並べたり、ふたりの娘に袋物のパーティー用ミニバッグをつくってよろこばれました。ドレスと和風のバッグがマッチしてよい感じでした。
お喋りも弾み、「楽しくやってま〜す」
筆入れは「サンマ」のデザインが面白く、カナダの方々にも好評。
A:ええ、やっぱり日本古来の布地は色合いが心に安らぎを与える上品な素材ですから、限りなく奥が深い趣味だと思います。
A:いいえ!(全員)
A:その通りです。毎週のお稽古の愉しみは、先生が時間を掛けて製作して下さった、新しいお手本。今度は何でしょうと、ここへ来るまでがワクワク気分なんです。
A:ここには季節感たっぷりのイチゴや柿もあるし、お雛様、兜、クリスマスの飾りと珍しい作品もずらりと並んでいます。清田先生が和裁のご出身なので、布地の組み合わせも、きちんとご指導下さるのでラッキーです。できあがりを手のひらにのせて見ると、ふんわりした温もりがあって、ほのぼのとした気分になれます。
日本では高くてできないぜいたくなお稽古事ですし、ユトリもない暮らしに日々追われがちですが、バンクーバーでは、その点、何でも気軽にできます。
特にこのお稽古はリタイアした私達にはピッタリ。この街で習えるなんて思いもよりませんでした。日本からいらした方々も、ぜひごいっしょにつくってみませんか? わざわざ日本からお土産を持ってこなくても、お細工物をご自分でつくられたら、カナダの方もきっとよろこびますよ。
A:でき上がると毎回、持ち寄った物で茶菓の時間を過ごします。先生自ら美味しいお茶をご用意下さるんです。これが待ち遠しい、お愉しみタイムになっていて。この後、近くの店にランチまで、お付き合いすることもある仲よし組みなんですよ。
お細工物のいろいろ。パーティー用のバッグやジュエリー入れに。
みごとに咲いた「椿」と「鈴蘭」。
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の鳥「ステラージェイ」(カケス)と、BC州の花「ハナミズキ」の押し絵はこの地ならではの作品。
押し絵をあしらった箱と携帯用ソーイングケース。
「水仙袋」と「ナマズ」の眼鏡入れ。
ひと息いれて皆さんとお茶。これも愉しいひと時。
坂の多い閑静なバンクーバーの住宅街から和気あいあいとした笑い声が聞こえてきて、玄関を入ると明るい窓の多い部屋に大きな白いテーブルがあり、所狭しとお針道具が広がっていました。
窓の外を見なければ、ここは本当にカナダなの? と思われるほどの空間でした。清田先生のおだやかなお人柄がどの作品にも現れていました。清田先生だからこそ5年以上も続けている生徒さんがいるのでしょう、と納得しました。短期での生徒さんも歓迎ですと、おっしゃられていました。
皆さん、カナダのゆっくり流れる時間のなかで、お細工物のお稽古を試してみませんか?
(写真:斉藤光一)
■清田敬子先生のホームページ:www.keikostextileart.com