私たちの住むベナルマデナ市は人口5万人の街だ。標高430メートルのエル・カラマロ山から一気に海に駆けおりる坂の町といってよいだろう。アロージョ・デ・ラ・ミエル、ベナルマデナ・プエブロ、ベナルマデナ・コスタの3つの地区からなる。
商業の中心であるアロージョ・デ・ラ・ミエルにある遊園地、チボリ公園からはロープウェイに乗ってエル・カラマロ山頂まで上ることができる。
10月のよく晴れた日、僕たちは往復12ユーロの切符を買ってロープウェイに乗った。次々とやってくるふたり乗りのゴンドラに、係の男性が要領よく客を案内していく。
ゴトンとかすかに揺れて僕たちを乗せたゴンドラが宙に浮く。公園の観覧車が真下に見えてくる。だんだん小さくなって、街を埋める屋根々々に風景が変わる。海も見えてくる。山肌の岩や木が真下に見える。おのぶは昔から高所恐怖症だった。身体を硬くして一切真下を見ない。真下をのぞくのがロープウェイの醍醐味なのに。「12ユーロもして高い!」とおのぶは叫ぶ。僕は「安い!」という。「怖い!怖い!」を聞きながらおよそ10分で山頂に着いた。
ロープウェイにのって山頂へ
アロージョ・デ・ラ・ミエルの街から望むエル・カラマロ山。
チボリ公園のロープウェイ乗り場にて。乗っている間、ちょっとでも揺れると「怖い!」と叫んでいたおのぶ。揺れるから楽しいのに…。

