「大人になれない大人たち」の物語
ボストン郊外の住宅街を舞台に、平和な家庭を持ちながら日常生活へのちょっとした不満や捨て切れない過去にこだわり、漠然とした焦燥感にもがき苦しむ男女のひと夏の物語。同名のベストセラー小説の映画化で、主演女優賞をはじめ今年度アカデミー賞3部門にノミネートされた。
学生時代の夢が忘れられず専業主婦に納まり切れない主人公のサラ(ケイト・ウィンスレット)。サラは愛するひとり娘の子育てに身が入らない。その上、新しく越してきた郊外の公園でも近所の主婦たちの井戸端会議について行けず、孤独で空虚な毎日を送っている。一方、ブラッド(パトリック・ウィルソン)は、司法試験の合格をめざし、家事と受験勉強の毎日を送る陽気な主夫。美人で賢く優しい妻キャシー(ジェニファー・コネリー)に支えられ、ひとり息子を育てながらの生活に不満はないが、どこか満ち足りない。ある日、そんなふたりが近所の公園で出会い、ちょっとした出来事をきっかけに、いつしか惹かれあい、求め合い、愛し合うようになっていく。互いの家庭を壊さない範囲での束の間の情事はふたりを夢中にさせる。
しかし、平穏な住宅街の生活はいつまでも続かなかった。性犯罪者のロニーが釈放されて町に帰ってきたのだ。異常なまでのロニー排斥運動はやがて思わぬ悲劇を招いてしまう。そして、そんな不幸の連鎖がクライマックスを迎えるとき、サラとブラッドの人生に新たな展開が待ち受ける…。
この作品で描かれるのは大人になれない大人たち、「リトル・チルドレン」。登場人物たちが身近な親近感と共鳴をもたらし、観客に家族の意義と人生を問いかける。
今夏Bunkamuraル・シネマ、シャンテシネほかにて全国ロードショー。
(文/神吉英行 Text:Hideyuki Kanki)
[原題]Little Children
[URL]www.Little-Children.net
[監督]トッド・フィールド(「イン・ザ・ベッドルーム」)
[出演]ケイト・ウィンスレット(「ホリデイ」)、パトリック・ウィルソン(「オペ
ラ座の怪人」)、ジェニファー・コネリー(「ビューティフル・マインド」)
[配給]ムービーアイ
