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映画/コントロール(2008年3月全国順次ロードショー)

cNorthsee Limited 2007

cNorthsee Limited 2007

cNorthsee Limited 2007

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70年代イギリスの伝説のバンド、ジョイ・ディヴィジョンのリード・ヴォーカル、イアン・カーティスの生涯を描いた物語。これはただの音楽伝記映画ではなく、病と愛の葛藤の末に自らコントロールを失う青年の苦悩を描いた青春ドラマ。2007年カンヌ国際映画祭カメラドール/スペシャル・メンション賞受賞。2008年英国アカデミー賞/新人映画人賞、カール・フォアマン賞受賞。

大不況にあえいでいた1970年代後半のイギリス。マンチェスター郊外の小さな町に住む高校生イアン・カーティスは、ギターすら満足に弾けないが、いつかロックスターになることを夢見ていた。部屋の壁一面に貼られたドアーズやロキシー・ミュージック、そしてデヴィッド・ボウイのポスターが彼の憧れだった。デヴィッド・ボウイのライヴを観た帰りに、イアンはデート相手のデボラと婚約する。19歳で結婚した彼は、生計を立てるため地元の職安で働くようになった。やがて一児の父となるイアンだが、ロックへの夢を捨てきれず仲間とバンドを結成する。彼の才能は次第に開花し、独特の低音とパフォーマンスを武器に、ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカル兼ソングライターとして、頭角を現していった。

しかし、スターに駆け上がろうとする彼の人生に不幸が訪れる。ある日突然、原因不明の激しい発作に襲われたのだ。その後もしばしば彼を襲う苦しいてんかんの病。不安のあまり彼はアルコール漬けになっていく。そんな頃イアンをインタビューのために訪れたベルギー人女性ジャーナリスト、アニークに惹かれ、ふたりは愛しあうようになる。ツアーに同行するアニークは、彼を癒す唯一の存在となった。やがてふたりの関係は妻デボラの知るところとなり、イアンは三角関係に悩み苦しむ。一度は自殺騒動を乗り越えるイアンだったが、ロックスターという重圧には耐えられなかった。1980年5月、待望の全米ツアーへ向かう日の朝、自宅で首を吊った。23歳だった。

やり場のない青春のエネルギーをストイックに歌うイアンの姿は、日本の尾崎豊とどこか似ている。イアンは不器用で正直ゆえに、精神のコントロールが利かなくなってしまった。この映画のタイトル「コントロール」は、彼の歌「She's lost control」から引用されたもの。かつて職場で会った女性がてんかんになった姿をヒントにした曲。皮肉なタイトルだ。

モノクロで荒涼とした画面のイギリス映画、しかも主人公が自殺する話だが、見終わるとなぜか愛おしい気持ちになった。イアン役のサム・ライリーの魅力が際立っている。バンドの残されたメンバーはのちにニュー・オーダーと名乗り、イアンが自殺した日のことを歌った「Blue Monday」は全世界で1000万枚のセールスを記録した。(文:神吉英行 Text: Hideyuki Kanki)

2008年3月より渋谷シネマライズほか全国順次ロードショー

[原題]CONTROL
[URL]control-movie.jp
[監督]アントン・コービン(ポートレート写真家、本作で長編映画デビュー)
[出演]サム・ライリー(「24アワー・パーティ・ピープル」)、サマンサ・モートン(「ギター弾きの恋」)、アレクサンドラ・マリア・ララ(「ヒトラー〜最後の12日間)」
[配給]スタイルジャム